オッズ比とは?
オッズ比(オッズひ、Odds ratio)は、ある事象の起こりやすさを2つの群で比較して示す統計学的な尺度である。
オッズとは、ある事象の起こる確率をpとして、p/(1−p)の値をいう。確率論のほかギャンブルでも盛んに使われてきた数値である。
オッズ比はある事象の、1つの群ともう1つの群とにおけるオッズの比として定義される。事象の両群における確率をp(第1群)、q(第2群)とすれば、オッズ比は
オッズ比が1とは、対象とする条件あるいは事象の起こりやすさが両群で同じということであり、1より大きい(小さい)とは、条件あるいは事象が第1群(第2群)でより起こりやすいということである。オッズ比は必ず0以上である。第1群(第2群)のオッズが0に近づけばオッズ比は0(∞)に近づく。
例えば、男女それぞれ100人に先週ビールを飲んだかどうか聞いてみる。男性は80人が、女性は20人が先週ビールを飲んだと答えるとしよう。男性がビールを飲んだオッズは80対20つまり4/1=4で、女性は20対80つまり1/4=0.25である。4 / 0.25 = 16で、オッズ比は16となる。
オッズ比は医学の臨床試験の結果を示す方法としてよく用いられ、ベイズ統計学でも特に重要である。
オッズ比の対数をとると確率のロジットの差に等しい。ロジットはロジスティック関数の逆関数であって、ロジスティック回帰分析でもオッズ比は重要な意味を持つ。
多重ロジスティックモデルとは?
外的基準変数が,ある事象があったかなかったかのような0 / 1 型のデータの場合に,重回帰式を求めると,予測値は負の値や 1 以上の値をとるので不適当である。このような場合には( 2 )式のようなロジスティックモデルが適用できる。
ある事象が発生する確率を P としたとき,P / ( 1 - P ) はオッズ比,その対数をとった log{P / ( 1 - P ) } はロジットまたは対数オッズ比と呼ばれる。
ロジットが独立変数の線形結合式で表せるとするのがロジスティックモデルである。
…… ( 1 )
これを変形すると,( 2 )式のロジスティック関数が得られる。P は 0 〜 1 の範囲の値をとる。
…… ( 2 )
b0, b1, b2, ... , bp は最尤法によって求めることができる。
最尤法で係数を求める場合には初期値が必要であるが,Truett - Cornfield による判別係数を初期値とすることで,たいていの場合はうまく行く。
補足説明
多重ロジスティックモデルは追跡調査によって得られるデータの分析に使われる。断面調査によって得られるデータの分析には使用できない。例えば,現在疾病を持っているかどうかをリスクファクタ( 喫煙,飲酒習慣など )で説明しようとするのは,リスクへの曝露期間が一定ではないので,誤りである。
分析によって得られるリスクの予測は,一定期間後のものである。例えば,5 年間の追跡調査に基づく予測は,5 年以前あるいは 5 年以後の予測とは何の関連もない。3 年後の予測には再度データを調整して( 例えば 4 年後に死亡したものは,3 年後の分析では生存としなければならない )再度分析を行わなければならない。
各変数が予測にどの程度寄与しているかを判断するためには,標準化係数を見なければならない。
得られた予測式は,分析に使用したケースについて最適のものであるが,別のケース群に適用しても有用であるかどうかはわからない。例えば,ある医療機関に受療した患者に適用できても,別の医療機関の受療患者には適用できないかもしれない。得られた予測式が他の集団でも有用であるかどうか(交差妥当性を持つかどうか)について検討したほうがよい。
交差妥当性を検証するのはなかなかたいへんな場合がある。そのため,便法として折半法と呼ばれる方法がある。この方法は,既存のケースを無作為に半分ずつに分け,一方のケースを用いて予測式を作り,もう一方のケースを得られた予測式で予測し予測式の有用性を検討するものである。折半法を用いるには,既存のケース数がある程度多くなければならない。
(データ画像源http://ja.wikipedia.org/)